第二次世界大戦下の旧ソ連、独軍部隊に村を焼かれた少女が赤軍女性兵士に拾われ、女性精鋭狙撃部隊のスナイパーとして復讐を胸に戦場を生き抜く物語。生々しく描かれる一兵士からみた戦場の姿は考えされられることが多かった。そして最後の100ページで目撃する彼女の復讐劇はまるで映画を観ているようで鳥肌もの。これが著者のデビュー作とは本当に信じられない。
第二次世界大戦では実際に、旧ソ連軍に100万もの女性たちが兵士として志願し戦地に赴いていたらしい。この小説自体も実際の戦況や人物を織り交ぜて書かれており、物語全体がとてもリアルに感じられた。巻末に主要参考文献が数十冊載せられており、この現実味のある物語はそれ故かと納得した。
戦争の話ながら非常に読みやすく、内容が入ってきやすいので、一気に読める本をお探しであればぜひおすすめしたい。