映画のプロジェクト・ヘイル・メアリーを観てから、SFを読みたい気持ちがふつふつと湧いていて、本屋をうろうろしていたら見つけたのがこれ。
帯に「スター・トレック」×ジョン・ル・カレの手に汗握る宇宙冒険SFとあって、最初は「???」だったけど、スター・トレックとジョン・ル・カレのスパイ小説をミックスしたような作品を目指して書いたということらしい。
読んでみるとたしかにで、宇宙船を舞台にした宇宙パートはスター・トレックっぽい雰囲気、月面都市を舞台にした地上パートはスパイ小説らしい陰謀と駆け引きが展開する。それがちゃんと噛み合っているのが面白くて、ジャンルの掛け算がうまく機能していた。
プロジェクト・ヘイル・メアリーが人類に希望をもたらす明るいSFだとするなら、暗黒空間はその真逆で、人類の愚かさと腐敗を書き散らした暗いSFだった。ただその暗さの中に微かな光がさ すのがまたよくて、完全に絶望一辺倒ではないのがバランスとして面白い。
宇宙パートと地上パートが並行して陰謀を徐々に解き明かしていく構造は普通に読み応えがあって、気づいたら最後まで一気に読み終えてた。SFとしてしっかり楽しめた一冊。
